ハイパーインフレーションとは、物価水準が1年間に数倍以上に上昇するインフレのこと。
ハイパーインフレともいう。
正確には、最低でも国際会計基準の定める3年間で累積100%(年率約26%)の物価上昇、
フィリップ・ケーガン(英語版)による定義では月率50%(年率13000%)を超える物価上昇を指す。
歴史上のハイパーインフレ
18世紀のフランス革命直後。
19世紀の南北戦争直後のアメリカ合衆国。
主に、巨額の戦費調達によって生じた例が記録されている。
第一次世界大戦直後では、敗戦後のドイツ帝国(1兆倍)
帝政が終わったロシア帝国(600億倍)がある。
これらの主な原因は、戦争後の賠償金支払いなどに伴う財政赤字の急膨張であり、不換紙幣である政府紙幣の発行による、財政赤字のファイナンスによるものである。
他にも戦争によるハイパーインフレとしてハンガリーの事例が有名
事例で見るハンガリーのハイパーインフレーション(ShareWis PRESS)
その他主要なハイパーインフレ
ジンバブエ
2000-2007年の7年間 通貨供給量は130万倍に達し、物価は650万倍に上昇。
2009年ジンバブエ・ドルが公式には流通しなくなり、その後ジンバブエドルの流通停止。
米ドルおよび南アフリカランドなど外国通貨による、自国通貨の放棄を発表することを余儀なくされた。
その後、外貨の使用に伴ってインフレは沈静化し、デフレーションとなった。
ブラジル
1986年から1994年までの8年間に、2兆7500億分の1のハイパーインフレーションが生じた。
政府は、1993年12月に「レアルプラン」を発表。
1994年7月ドルペッグの通貨レアルの導入をに行いインフレを終息させた。
アルゼンチン
1988年、過剰な通貨供給が原因で年率5000倍のハイパーインフレが発生。
1989年には対前年比50倍の物価上昇。
1991年にドルペッグ制のアルゼンチン・ペソを導入(カバロプラン)するまで、経済が大混乱。
庶民のタンス預金は紙屑同然となった。
1993年にはインフレ率は年率7.4%に沈静化(ラプラタの奇跡)。
ちなみに、日本も、2009年から120年前に遡ると日本の物価は約3000倍となっている。